十三機兵防衛圏を終えて

もう2か月前の話になるが、十三機兵防衛圏をクリアした。かなり楽しめた。

 

コアなゲーマーはだいたい既にクリア済のタイミングだし、

ネタバレありで適当に書く。

 

■乱立する恋愛感情

やたらと発生する恋愛感情、とにかく成立しまくるカップリング。最初はこの物語にここまで必要あるか?と思っていたのだが、10代の少年少女が(自分のよく知りもしない因縁とは関係なく)自分の世界の為に自分の意志で命を懸けて戦うに値する動機の補強的な手段としては、それほど不自然ではないと納得した。キャラ同士の結びつきにも関わってくるし。

 

とはいえ冬坂は例外で、出自的にはかなり物語のキーパーソンっぽいというのに、彼女自身のストーリーは一目ぼれした関ケ原との恋愛に終始して終わる。彼女自身は関ケ原参戦を促したり、郷登先輩は生体万能鍵のように利用されたりと、舞台装置的な要素が濃くて、あまり血の通った感じがしないままストーリーが終わってしまった印象。前世や前々世の因縁に引っ張られながらも確固たる自分自身を築き上げた鞍部十郎とは大きな隔たりがある。

 

■緒方ケンゴ

こいつ結局なんだったんだっけ。真の黒幕としてもぐりこむはずが失敗してましたっていう、ネンジのミスリード要員って認識でいいのかな。あまりにも印象薄すぎてもう覚えていないので、こいつの存在が判明するパートが単純に楽しめなかったか、俺の脳みそがお通夜すぎてうまく処理できなかったかのどちらかなんだろうな(多分後者)。かしこい人たすけて。

 

■東雲先輩

最近なぜか一部のweb界隈でぽんこつキャラとして愛されているようだ。

頻出ワードの「馬鹿にするな!」「薬さえあれば」「それみなさい!」あたりがネットミーム化しつつある。彼女のストーリーはマジでほぼコレで終始する為、このゲームでは貴重なネタバレを回避したおもしろネタになるということなのだろうか。

 

妙な愛され方をしているが、キャラとしてはかなり特異な立ちまわりをしていて興味深い。

 

プチ黒幕ではあるが本当の元凶は彼女自身ではない。後遺症のせいでやることなすことが裏目に出て、周囲には黙って首を横に振られている始末。記憶を失い続けた果てに、自ら殺害したことすら忘却した先生への想いだけを胸に最終戦に臨む姿の神々しさときたらどうだろう。全てを失ってなお自らの役割を見出す者が放つ輝きがそこにあり、あの瞬間心の底から好きなキャラになった。

 

・・・ところが崩壊編でいきなり「郷登と一瞬交際していた」という情報が出てきて、エピローグではすっかり快復した上に郷登と結ばれたっぽい雰囲気に。まあハッピーエンドなら仕方ないんだが、個人的にはあの瞬間の輝きを無かったことにされたようで、少し寂しくなってしまった。関係ないけど「ゴーストトリック」でも似た経験をしたことがある。

 

あれだけアツい演出を見せられたもんだから毎回出撃させたものの、第二世代の機兵が使いづらくてイマイチな戦果しかあげられず。せめて射撃コマンドに移動がセットでついてきていれば、と歯噛みさせられた。