甲鉄城のカバネリ、ポケモン剣盾、ウィンターミュート優子

甲鉄城のカバネリ

 

f:id:Zumasawa:20211014013036j:plain

和のスチームパンクガン=カタめいたスタイリッシュ美少女無双、不死身パイルバンカーで泥臭く戦う少年等成分がほどよく堪能できた。

 

後半は完全に美馬が主人公。美馬の持つ背景と望みが物語のメインに据えられるし、悪人である美馬の価値観で認められた人物、最後の障害になる相手、敵に位置するのが主人公生駒。序盤光る尖りを見せていた無名も5話時点で弱さを見せ、美馬登場以降はそれが加速してあっさりと自己が薄弱な囚われ系ヒロインに転じていった。

 

最終決戦はもうどう転んでも美馬の勝ちみたいな状況でウケた。美馬が勝てば美馬の信条が証明されるし、逆に美馬が負けても、恐怖を克服した生駒の強さが担保となって美馬の信条は保証される(美馬もまた臆病者であることを自覚しているらしき描写があった)。2クールアニメだったら途中の2~3話くらいで消化されそうなエピソードだった感もある。

 

中盤までのわかりやすいエンタメ路線と、美馬という悪役が台頭し始める後半路線にはかなりギャップがありつつ、でもまあ美馬が味方に裏切られた経験から恐怖政治に至った問題の根本は扱われないまま終わったなと思っていたら、劇場版では人の心の光があれば世界の問題もカバネリとして生き続ける上での問題もだいたい解決するんすよっていう落とし方でまたウケた。劇場版は無名が主人公兼ヒロイン的な立ち位置になっていて、アクションから突然濃厚になった恋愛要素までひたすら無名尽くしだったので最早潔いまであった。アクションとしては無名のガン=カタのほか来栖の剣術もかなりカッコ良く、娯楽作品として十分以上に楽しめた。

 

ポケモン剣盾

大型タイトルでありながら、ここまで製作者のストーリーモチベを感じなかったタイトルは初めて経験した。キャラクターに関してはデザインに限らず濃いめに設計されている、ように感じる。ジムリーダー達のキャラ付けはほぼほぼリーグカードや登場演出等でのチラ見せに限定されているが、それでも伝わってくる内容はしっかりしていた(万年2位的ポジのキバナが満足勢になってないか?と批判されているエピソードが紹介されたりとか)。

 

だけどストーリーは本当に酷い。頑張ったけどうまくいかなかったとかじゃなくて、もう最初から面白くしようとかそういうモチベが一切無かっただろってレベルで、スパイクタウン攻略後に野生のポケモンダイマックスしてダンデがそれを解決しに走るくだりの演出とか、ビビる群衆がひしめくトンネルを走り抜けたらなんかもう全部解決しててダンデは別んとこ行きました。マジかそれは。終盤のローズの暴走ではクリアまでプレイする気力が消失しかけたりもしたが、ストーリーについてかなり好意的に解釈している方も見受けられたりして、ブランドパワーを実感した。

 

『薄明の翼』とか『Evolusions』が極上の公式2次創作と言えるレベルの補完内容だったんで、剣盾のストーリーを数年後に思い出すことがあったら本編の記憶は0でこの2本だけになる可能性は非常に高い。

 

さりげなく対戦部分も遊んでいるのだけれど、敷居の高さがこれまで遊んだゲームでも類を見ないレベルになっているのに驚いている。何がヤバイって、対戦までの"準備"がめちゃくちゃ大事な上に所要時間がかなり多いし、前提知識も3D格ゲーの比ではない。でも一度覚えられたら普通に楽しめそう。

 

黛冬優子について

定期的に少年バトル漫画的な文脈を(ネットミームとかで)背負わせられる様子にだけ関心がある。冬優子本人は偶像を自ら創り上げるために"完璧なふゆ"を貫徹しようと努力しているキャラなのだが、そういった面は無視されてフィクションあるあるネタと絡めて玩具にされる無情さが趣深い。

 

が、ミームとか2次創作とかで原像を保っているケースの方がむしろ稀だとは思うので、幻覚大喜利されればされるほど"ふゆ"が無視されているかのようになる構図が俺には新鮮なだけという気もする。

 

ところで個人的にはシャニマスで最も闘争心が強いのは桑山千雪だと確信しているのだけれど、そういう創作を見かけたことはまだ無い。あるところにはある?

 

 

f:id:Zumasawa:20211014012335p:plain

 

GRADのここかなり良かった

 

 

あと(確かアンカーボルトソングの)これ

 

f:id:Zumasawa:20211014012355p:plain