ゼンレスゾーンゼロ
スタレが一段落したので再開。戦闘、クエストの味付け、世界観、カットシーン等、隅々まで丹精込められた出来でこれまで触ってきたmiHoYoゲーのなかではベスト。
カットシーンはいわゆる二次元調で、キャラクターが情感豊かに動作している(全体的にはピクサーライク)。
ウェルカムバック演出も手が込んでる
2次元アクションアニメっぽい演出をふんだんに使うこともある
RWBY等でMonty Oumの3Dアクションアニメーションに心酔した経験がある層にはクリティカルヒットするだろう(した)。
公式に終末世界と銘打たれている通り、ポストアポカリプス+サイバーパンクな世界観なのも気に入ったポイントのひとつ。世界がシビアだと、登場するキャラクターの行動規範も現実的になる。たとえば主人公の兄弟は善性を持ちながらも個人的な目的のために平然と犯罪者をやっているし、命乞いをしてくる敵対者を見殺しにしながら正体を明かしてそのまま立ち去るというヴィランムーブまでかましている。憎めない3枚目なふるまいをしているビリーも、プロローグ時点で自身と仲間が生存するために主人公を治安局に売るのはどうかと即座に提案しており、アウトローぶりを垣間見せる。
つらつら書いてきたが、結局俺がゼンゼロを再開したのは魅力的なキャラであるルーシーとビリーへの未練が残っていたからだ。
ルーシーにはビジュアルで、ビリーにはキャラクター性も含め惹かれていた。
ちょうどメインストーリーの最新更新がルーシーの属しているカリュドーンの子の登場回だったので、それを吸引するために走り倒した(カリュドーンの子は萌えアルデカルドス的な集団なので、俺が要求するようなアウトロー成分は薄かったが満足)。
バトル面も最初に振れたときは少々物足りない感覚だったが、あらためて触れながらパーティー編成をちゃんと考えたり、ビリーのバトルデザインを理解することでただ当初の俺が真剣にゲームを遊んでおらず浅いだけだった、情熱を注いでいない状態でそのような評価をするのが間違いだったと理解した。シーザーのパリィ支援やバーニスの持続ダメ管理、最大DPSを出しながら適切に回避を織り交ぜる必要があるパイパーなどちょうど組みたかったパーティーがキャラ的にもパワー的にも恵まれていたのも大きい。
あとはmiHoYoゲーってどうしてもサブクエストに絡むモブNPCのモブっぷりが気になってしまう瞬間が生じる印象だったのだが、今作では自立した意志を持つボンプをそのへんにあてがうことでカバーしているのもかなり評価高い。ボンプはマスコットとしても通用するビジュアルを持ちつつ、機械的なツールとして、また人間臭い存在として、八面六臂の活躍を見せている。スマートすぎる配置にうならされている。
主人公兄弟の作中活動でのアバターとしても活躍
育成リソースの欠乏はスターレイルの比にならないのでじっくりやっていく。
今後アークナイツに次いで更新が楽しみなタイトルとなった
アークナイツイベント『バベル』
大満足。昨年の『孤星』に続き、世界観の根底を明かしてしまう一大イベントとなるエピソード:ゼロ。
アークナイツがうまくやっているなあと感じるのは、その時に繰り出される最新シナリオの展開をプレイヤーが歩んできた道程と重ねさせるようなタイミングの見計らい方にある。旧ドクターがテラの人々に触れ苦悩していく様子もそれで、プレイヤーが新ドクターを観測する存在としてテラの人々の在り方を知り、その末路を見送ったり、あるいは前向きに未来へ向かう姿を見守ったりしてきた積み重ねがあるからこその味わいとなっている。この抜群なナラティブのコントロールがあるからこそ何年も続けられている面もある。
『バベル』は世界の真実の90%くらいをとうとう明かしつつ(実はこれまでにモジュール等で開示されてきた情報がそのヒントになっていたことにも後から気付かされて驚く)、エピソード:ゼロでありながら俺的には退屈寄りでしかなかったメインストーリー大二部の味わいをひっくり返してきて腰を抜かしてしまった。最初はロドスが首つっこむ意味なくね?他人事じゃんくらいの感覚だったのに...(扱いの割には雑に処理されたGuardとかはこの際忘れよう)。11月にはメインストーリーの続きが来るっぽいので期待を膨らませている。
Stellar Blade
デスチャから親しんでいるSHIFT UP製の買い切りゲーということで購入。
結構面白かった。
良い点を挙げるならまず良質なアクションとBGM、次いでセクシー要素という感じ。
悪い点はシナリオ。別にひねりなく王道SFをやるならそれでよかったのだけれど、中盤までばら撒いてきた意味深な布石ををガン無視したままたたんでしまうのは拍子抜けだった。
キム・ヒョンテが愛してやまないSF作品といえば『銃夢』が有名だが、中盤まで善良ゆえのナイーブさを持っていたイブが気付けばガリィの如き戦士メンタルに成長していたのはちょっとそのへんのリスペクトを感じてウケた。
同じ場所を往復する移動時間の長さが際立っていたので、もし続編をつくるならファストトラベルの条件はもうちょい緩くしてほしい。
リメイク版SILENT HILL2
まぎれもない良作。
俺はホラーゲームというジャンルにおけるサイレントヒル2はさながら『ブレードランナー』のようなパイオニアだと認識する程度には強火ファンなので、正直よくわからん海外の開発会社にクソゲーリメイクされるんじゃね?と疑っていたが大間違いだった。Blooberの仕事はほぼ完璧だ。
序盤の味気ない移動を繰り返すだけのパート調整、初見でわけわからなくなるジェイムスの独白タイミングの変更、各種ボス戦の超ゴージャス化等など枚挙に暇なし。
何より、特に音響演出が強化されたことによりホラーの密度が段違いになっている。どうやら『Layers of fear』で培ったノウハウっぽく、未プレイだった同タイトルに興味がわいた。
今作がサイレントヒル初めてですという人にもおすすめできる良作。
原作のファンとして気になる点を挙げるとするならば、
いぬエンドの改悪(言語変更と雑だけどちょっと手が込んでるムービーが無い)、
それからBGMに関してはオリジナル版とアレンジ版をオプションで選択できるようにしてほしかったという点。Promise(Reprise)もTheme of Lauraも、やはり原曲が偉大すぎてアレンジ版は微妙に感じる。BGMのアレンジは山岡晃の意向によるものらしいが、これだけのクオリティで仕上げてくれたからこそ原曲で楽しみたかったなあという想いがある。