ここ最近の雑記( スターレイル幕間クエスト『バナ悪非道・忍義なき戦い』が良かった / ストリノヴァを遊んだ / 鉄拳祭のスカジャンが届いた)

ターレイル幕間クエスト「バナ悪非道・忍義なき戦い」が良かった

 

Twitterで乱破が発表されたときは熱心なパロディモチベが新キャラのキャラ付けにまで利用されるのかなり踏み込んどるなあくらい印象だった。もっと言えば某アニメイションがそうだったように、忍殺ミームだけ知ってる層にウケればいいだろくらいの温度感だろうと決めつけていたのだが、忍殺へのリスペクトが思いのほか高い。

 

まずテーマの転がし方がうまい。

 

大学がミームにハックされていく危険性をあえてギャグっぽく提示しつつも実は洒落にならない実験活動と関わりがあることが明かされる(原子博士所業ヤバすぎ)。

ミーム汚染に調和パワーをぶちこんでやるぜ!なクライマックスの直前に、合間で乱破のギャグっぽいナレーションで語られてきたオリジンがヴェールを脱ぎ、真の姿を現す。一瞬不穏さを匂わせるが、乱破は忍者大正義ミームを自らの生きざまとして取り込む決断で覚悟完了済。ブートヒルもまた、精神破壊直前まで追い込まれながらも「悪人を殺すのに理由はいらない」という思想を元々持っていたことにより危機を打開する────。信念の勝利と言えばカッコいいけど、あくまでも異常性のあらわれだよねとシニカルに解釈できてしまえる塩梅が非常にイイ。巡海レンジャーは清廉潔白なヒーローなどではなく、ただ私情を最優先に行動するアウトローでしかない。だからこそイイ。

 

乱破のオリジンが育ての親に投与されたミームウイルスや古いコミック由来にすぎないことを本人は自覚していて(クエスト詳細文やキャラストーリーでも明示されている)、その上で主体的にそのミームを是とする在り方。理知的に虚構と向き合うことで何かを獲得する人物は忍殺でもしばしば登場している(『デッド・バレット・アレステッド・ブッダ』のセキトリや『リボルバー・アンド・ヌンチャク』のマッチ・ジュンゴーあたりが代表例か)。もちろん俺はこれらのエピソードが大好きなのでこの時点で両手を挙げて降伏。

 

実は日本語版スターレイルで忍殺パロはカルチャライズの一環でしかなく、英語版ではNARUTOとかミュータント・ニンジャ・タートルズのパロディになっているとかそういうオチがあるのかもしれないが、こうした作品としてのニンジャスレイヤーシリーズの魅力を真に理解した者が書いていると思わせるライティングに感心させられた経験は本物である。アベンチュリン編と並んで好きなエピソードとなった。

 

カッコ良く忍道ミームを生き様にする姿が描かれた乱破が、その後のサブクエストでバンドメンバーに「言動も思考も意味不明すぎる」と拒絶されて普通に困っていた様子もかなり味わい深かった。乱破からすれば相応の理由があって決断した忍侠としての生きざまも事情を知らない他人からすれば滑稽なものでしかない現実の素朴さが好ましい。そんなバンド解散クライシス後のいざこざすらも都合のいい学園ドラマとしてただ乗りして適当にそれっぽく楽しんでしまえるピピシ人メンバーのスタンスも面白い。強かな享楽主義者は好きだ。

 

 

トリノヴァを遊んだ

www.strinova.com

 

TGSで見かけて気になっていたTPS(ADS中はファーストパーソン)。もともとFPSよりTPSを好むゲーマーだったルーツの関係もあり個人的に楽しみにしていた。

 

結論としては想像以上に発展途上のタイトルで、いわゆる有名シューター(ペーパマンやらAPEXやらOWやらタクティカル系FPS等)の要素を持ってきているのだが明らかに調理が間に合っておらず、生肉が積み重なっているかのような様相を呈している。特に”エスコート”は本当にOWのペイロード護衛そのまんまな上に、ウォッチポイント・ジブラルタルを丸パクリしているマップがあり思わず失笑が漏れてしまった。TDM、3onのFFA、爆破、エスコート等、ゲームルールはふんだんにあるのだが、いずれも「これで遊ぶならOW/APEX/Valoでええな」に尽きる。

 

だが固有のシステム”弦化”を利用したアクションが持つポテンシャルは評価できるレベルに達しているので、せっかくのコンセプトをデッドコピーに堕落させているゲームモードの貧弱ささえ刷新できれば、現代のペーパーマン的タイトルとして覇権を握る未来もあり得なくはない。

 

中国企業フリーミアムアプリ市場での台頭もあってか、今ではゲームデザインをパクること自体は特に珍しくなくなってきている。ゲーム性に既視感があるだけでは終わらせず、良いアレンジをまじえており、それが評価に繋がっている傾向にある。原神もかつてはブレスオブザワイルドのパクリと誹られていたし、ガンダム勢にも受け入れられている星の翼も失笑を感心に変える実力を発揮している。TPS好き的にはストリノヴァの再起を期待したい(このくだりを書いていて俺の中華系ゲーム会社への強い信頼を自覚した)。

 

キャラクターの中ではアホ枠のミシェルが好き。

デス時のボイスが何言ってるのかプレイ中まじでわからなかったが癖になる(今調べてンゴ語尾だったことが判明)

- ストリノヴァ 聞き覚えある!! ミシェルの面白くてかわいいネットスラング台詞集

 

ぐえっへえ 死んだンゴ...

 

鉄拳祭のスカジャンが届いた

www.goodsmile.com

 

これ。

 

届いた直後はなんか違うな...買い物ミスッたか?などと微妙な反応だったのだが時間を置く事に印象が良くなっていく。

 

個人的に衝撃だったのは、近所で誰かと話す時に着ていると結構な頻度で良いスカジャンだと評されること。今までこの服結構良くね?どうよ?みたいな服にも無反応だった人もこのスカジャンには何かしらリアクションしてくる。もちろん営業トークであるとしても、世辞を引き出すに足るパフォーマンスを発揮しているからこそ評価され得るのだろうという気がしている。新鮮な体験でありますます気分がよくなった。

 

 

ただまあ当たり前といえば当たり前だがこのスカジャンをほめてくれたのは全員男性で、男というのは男臭いファッションを肯定する傾向にあるので(偏見)、さすがにエコーチェンバー案件ではある。

 

でも俺がうれしいからok!閉廷!

 

 

最近触れたゲームの感想( ゼンレスゾーンゼロ、アークナイツイベント『バベル』、Stellar Blade、リメイク版SILENT HILL2)

 

ゼンレスゾーンゼロ

スタレが一段落したので再開。戦闘、クエストの味付け、世界観、カットシーン等、隅々まで丹精込められた出来でこれまで触ってきたmiHoYoゲーのなかではベスト。

 

カットシーンはいわゆる二次元調で、キャラクターが情感豊かに動作している(全体的にはピクサーライク)。

 

ウェルカムバック演出も手が込んでる

 

youtu.be

2次元アクションアニメっぽい演出をふんだんに使うこともある

 

RWBY等でMonty Oumの3Dアクションアニメーションに心酔した経験がある層にはクリティカルヒットするだろう(した)。

 

公式に終末世界と銘打たれている通り、ポストアポカリプス+サイバーパンクな世界観なのも気に入ったポイントのひとつ。世界がシビアだと、登場するキャラクターの行動規範も現実的になる。たとえば主人公の兄弟は善性を持ちながらも個人的な目的のために平然と犯罪者をやっているし、命乞いをしてくる敵対者を見殺しにしながら正体を明かしてそのまま立ち去るというヴィランムーブまでかましている。憎めない3枚目なふるまいをしているビリーも、プロローグ時点で自身と仲間が生存するために主人公を治安局に売るのはどうかと即座に提案しており、アウトローぶりを垣間見せる。

 

つらつら書いてきたが、結局俺がゼンゼロを再開したのは魅力的なキャラであるルーシーとビリーへの未練が残っていたからだ。

 

ルーシー(ゼンレスゾーンゼロ公式サイト)

ビリー(ゼンレスゾーンゼロ公式サイト)

 

ルーシーにはビジュアルで、ビリーにはキャラクター性も含め惹かれていた。

 

ちょうどメインストーリーの最新更新がルーシーの属しているカリュドーンの子の登場回だったので、それを吸引するために走り倒した(カリュドーンの子は萌えアルデカルドス的な集団なので、俺が要求するようなアウトロー成分は薄かったが満足)。

 

バトル面も最初に振れたときは少々物足りない感覚だったが、あらためて触れながらパーティー編成をちゃんと考えたり、ビリーのバトルデザインを理解することでただ当初の俺が真剣にゲームを遊んでおらず浅いだけだった、情熱を注いでいない状態でそのような評価をするのが間違いだったと理解した。シーザーのパリィ支援やバーニスの持続ダメ管理、最大DPSを出しながら適切に回避を織り交ぜる必要があるパイパーなどちょうど組みたかったパーティーがキャラ的にもパワー的にも恵まれていたのも大きい。

 

あとはmiHoYoゲーってどうしてもサブクエストに絡むモブNPCのモブっぷりが気になってしまう瞬間が生じる印象だったのだが、今作では自立した意志を持つボンプをそのへんにあてがうことでカバーしているのもかなり評価高い。ボンプはマスコットとしても通用するビジュアルを持ちつつ、機械的なツールとして、また人間臭い存在として、八面六臂の活躍を見せている。スマートすぎる配置にうならされている。

 

主人公兄弟の作中活動でのアバターとしても活躍

 

育成リソースの欠乏はスターレイルの比にならないのでじっくりやっていく。

今後アークナイツに次いで更新が楽しみなタイトルとなった

 

アークナイツイベント『バベル』

大満足。昨年の『孤星』に続き、世界観の根底を明かしてしまう一大イベントとなるエピソード:ゼロ。

 

アークナイツがうまくやっているなあと感じるのは、その時に繰り出される最新シナリオの展開をプレイヤーが歩んできた道程と重ねさせるようなタイミングの見計らい方にある。旧ドクターがテラの人々に触れ苦悩していく様子もそれで、プレイヤーが新ドクターを観測する存在としてテラの人々の在り方を知り、その末路を見送ったり、あるいは前向きに未来へ向かう姿を見守ったりしてきた積み重ねがあるからこその味わいとなっている。この抜群なナラティブのコントロールがあるからこそ何年も続けられている面もある。

 

『バベル』は世界の真実の90%くらいをとうとう明かしつつ(実はこれまでにモジュール等で開示されてきた情報がそのヒントになっていたことにも後から気付かされて驚く)、エピソード:ゼロでありながら俺的には退屈寄りでしかなかったメインストーリー大二部の味わいをひっくり返してきて腰を抜かしてしまった。最初はロドスが首つっこむ意味なくね?他人事じゃんくらいの感覚だったのに...(扱いの割には雑に処理されたGuardとかはこの際忘れよう)。11月にはメインストーリーの続きが来るっぽいので期待を膨らませている。

 

Stellar Blade

デスチャから親しんでいるSHIFT UP製の買い切りゲーということで購入。

結構面白かった。

 

良い点を挙げるならまず良質なアクションとBGM、次いでセクシー要素という感じ。

悪い点はシナリオ。別にひねりなく王道SFをやるならそれでよかったのだけれど、中盤までばら撒いてきた意味深な布石ををガン無視したままたたんでしまうのは拍子抜けだった。

 

キム・ヒョンテが愛してやまないSF作品といえば『銃夢』が有名だが、中盤まで善良ゆえのナイーブさを持っていたイブが気付けばガリィの如き戦士メンタルに成長していたのはちょっとそのへんのリスペクトを感じてウケた。

 

同じ場所を往復する移動時間の長さが際立っていたので、もし続編をつくるならファストトラベルの条件はもうちょい緩くしてほしい。

 

リメイク版SILENT HILL2

まぎれもない良作。

俺はホラーゲームというジャンルにおけるサイレントヒル2はさながら『ブレードランナー』のようなパイオニアだと認識する程度には強火ファンなので、正直よくわからん海外の開発会社にクソゲーリメイクされるんじゃね?と疑っていたが大間違いだった。Blooberの仕事はほぼ完璧だ。

 

序盤の味気ない移動を繰り返すだけのパート調整、初見でわけわからなくなるジェイムスの独白タイミングの変更、各種ボス戦の超ゴージャス化等など枚挙に暇なし。

何より、特に音響演出が強化されたことによりホラーの密度が段違いになっている。どうやら『Layers of fear』で培ったノウハウっぽく、未プレイだった同タイトルに興味がわいた。

 

今作がサイレントヒル初めてですという人にもおすすめできる良作。

 

原作のファンとして気になる点を挙げるとするならば、

いぬエンドの改悪(言語変更と雑だけどちょっと手が込んでるムービーが無い)、

それからBGMに関してはオリジナル版とアレンジ版をオプションで選択できるようにしてほしかったという点。Promise(Reprise)もTheme of Lauraも、やはり原曲が偉大すぎてアレンジ版は微妙に感じる。BGMのアレンジは山岡晃の意向によるものらしいが、これだけのクオリティで仕上げてくれたからこそ原曲で楽しみたかったなあという想いがある。

 

最近観た映画の感想(劇場版オーバーロード 聖王国編 / 犯罪都市 PUNISHMENT /ドラゴンボール超 ブロリー

 

劇場版オーバーロード 聖王国編

面白かった。聖王国編は特に好きなので期待も大きかったが満足度は高い。

 

劇場版はほとんどがネイア視点で描かれ、原作でのアインズ側の苦悩やナザリックサイドの暗躍に関するシーンの多くをカットしている。原作既読者からすれば大胆な試みだが、ネイアが狂信者に染まっていく過程を集中して楽しむことができた(ここまで割り切っているだけに、ネイアが最初の謁見で出過ぎた要求をしてしまうシーンが省略されているのは驚き)。

 

ナザリック関連のシーンがカットされた影響なのか、ネイアよりもレメディオスの存在が際立っていた印象。雑多なパワハラシーンや有力者会議の場で発狂するシーンが省略されたこと、また本編もほぼネイア視点で進行したことが、かえってレメディオスの作中内での立ち位置を明瞭にしている。強者として振る舞い、また絶対的な上位者への忠義を併せ持っているレメディオスはナザリックの階層守護者を始めとしたNPC達と鏡写しであり、仕える聖女や妹の喪失を取り返せず泣き崩れるしかなかった彼女の姿はそのままナザリックのIFでもある。アインズが難民の前で力の重要性明言しているように、聖王国編はオーバーロードの根底にある弱肉強食思想が特に色濃く出ているのも好きなポイントなので、狂信者となったネイア以上にキャラが立っていたまである。

 

あとはオーバーロードってカッコいい武人がたくさん登場するのだけれど、豪王バザーが命乞い&敵前逃亡するシーンをオミットしてカッコいいイメージのまま終わらせる判断が面白い。アインズのネイアに対する様子もそうだが、今回の劇場版はただ原作のシーンを尺のためにカットしているだけではなく、アニメから入った人が原作を読んだ時に楽しめるサプライズとなるようなポイントを隠すよう工夫しているような気がする。イイ

 

犯罪都市 PUNISHMENT

 

今や貴重な、マッチョが全てを拳で解決するアクション映画シリーズの4作目。今回も面白かった!

 

今作はヴィランがデジタル犯罪をやっているため拳だけじゃ解決できねえ案件、助っ人のサイバー捜査課も尽力してくれるがいまいっぽパワーが足りない…そんな穴を全力で埋めるイス(初代で事実上死んだけどなんか復活したやつ)!

 

都合よく頭が良すぎるキャラが出てくるんじゃなくて、ソクトの犯罪者心理に対する職業上の経験から得られた直感と、ヴィランのビジネスモデルを丸々パクろうとしたイスの経験が合わさって事件が解決されるのめっちゃ良い。

 

あとシリーズを通して、ヴィランの最強戦力が最終決戦で弱体化してしまう(脱出直前で武器を所持していないことが多い)点も、本作ではチャンギが腹心の部下を残したままバトル開始するし、途中即席でナイフを作り出すのも完璧。シリーズ集大成という趣がある!まだまだ楽しみたい、カレーライスのようなシリーズ。

 

ドラゴンボール超 ブロリー

まあまあ面白かった。

 

清々しいまでにバトルアクション全振りの映画で、誇張抜きで1時間以上ウオオオオオ!!!と絶叫しながら殴り合うだけの展開が続く。

俺はパワー系キャラが大好きなのでブロリーの力強い戦闘スタイルで悟空を一人称視点で殴り飛ばしまくったり片腕で捕まえて地面に叩きつけまくるくだりでテンション爆上がり!素直に娯楽として楽しんだ。

 

ドラゴンボール使って願いを叶えるくだりはパラガス復活&改心か?と思ってたら余裕でガン無視されてて笑った。悟空がブロリーを撃退できたのはフュージョンという反則的な切り札を切っただけと認識しているのも良い。

 

フリーザの扱いに関しては…超を観ていないのでアレだが「生き恥」としか言いようがなかった。こいつをそのポジションに納めてやってくんだ、で終わった。