エルデンリング SHADOW OF THE ERDTREE
面白かった。ゲームのプレイ感覚としてはいまのところ2024ベスト
オープンワールドゲームの拡張コンテンツって自由度が高すぎる本編との帳尻合わせのハードルが高いよなあと感じる。2年以上やりこんでいる既プレイヤーに☨最強ビルド☨でサクッとクリアされてはたまらないが、かといって新規に開始した1週目プレイヤーを絶望に叩き落してもいけない。
その点影の地でのみ機能する加護システムでのバランス取りはいい塩梅で、加護が全くない最序盤は容赦なく絶望的なステータスで開始させている。わりと大胆な調整だが個人的にはかなり良かった。
加護システムは戦闘のバランスをとっているだけでなく、探索のモチベーションを引き上げる方向にも作用しているし、限定的なエリアを作り込むことでひとつひとつのスポットの濃度が増している(また英雄墓とかやらされたらどうしようかと)。まず影の地に入った瞬間に影樹の厳かさに目を惹かれたし、青の海岸、奈落の森などエリアごとに雰囲気をガラッと変えて視覚で楽しませてくれる。少なくとも俺の思い当たる範囲では、わくわくする外観のエリアを探索すると必ず魅力的な報酬やイベントにたどり着くことができていた。強力なボスに道を阻まれ、加護集めにいそしんで戻ってきてから戦った時の快適さは最初にエルデンリングをプレイしたときのマルギットまわりのバランスを思い出した。いい体験。
>影の地の戦闘に関して
盾受けとパリィが超有効なつくりで、本編と同様、ローリングマンはたいへんそう。相手の攻撃のディレイはもちろん、無限ブンブンじみた連撃だとか、これ標準操作だけで回避するの無理じゃね?と感じるような広範囲攻撃がまあまああった。
俺はエルデンリングをアクションゲームとしてプレイするつもりはないので遺灰を呼び、祈祷でチキンプレイし、余裕があるときだけ近接戦をするという頭脳派筋バサプレイをしていたのだが、このスタイルで本当に良かったと感じる相手が目立った。そもそも本DLCが祈祷有利かもしれない(本編だと終盤ボスは聖耐性持ちばかりだったのも関係してそう)。
DLCラスボスはマレニアを過去にするような壮絶さで、本当にガチンコで戦ったらSEKIROやブラボDLCも超えて、近年フロムソフトウェア作品最強の敵と評して違和感がない。高難易度アクションゲームをやりたい気分ではなかったので、影の地を駆け巡って良さげな遺灰・アイテムをあつめ、以下のプレイングで突破した。
①テウルを召喚
②テウルにタンクさせて横で腐敗の蝶、テウルには彼方からの回復
③第二形態→大腐敗壺を2回ぶつけ、テウルを介護し続けてDoTで勝利
正攻法で突破するよりこういう解決をできたときのほうが満たされる感じがする。
XCOMやアークナイツを好んでいるのはこういう飛び道具的なプレイで攻略できるからなのやも。
>ストーリー関連
ミケラ・マリカ周りが掘り下げられたがぶっちゃけ本編で一番気になっていたところに関する情報は無かった。
影の地ベストNPCはもちろんエーゴン!あからさまに『白鯨』オマージュなキャラ造形ではあるが彼の装備の説明文や召喚するまでの経緯が非常によい味わい。ガットパンチ。
次点NPCはティエリエ。ぶっちゃけ途中まではソウルシリーズ(とりわけエルデンリング)の悪習であるNPCが雑に闇落ちとかして死ぬ枠だと思っていたのだが、あそこまでやらかしたのに挽回してくるパターンとうとう来た!
「剣では斬れず、鎧では防げぬ。侮るな、ティエリエの毒を」の台詞だけで鬼カッコよくて満点近い。
NPCが気が付いたら死んでるやつといえば、ラスボス直前のスマブラは一風変わった趣向で面白かった。アーマード・コア旧作で僚機によって台詞が変わったり相手とかけあいがあったりするやつ!ゲームの構造上プレイヤー以外の第三者同士で会話してるシーンが絶無だったので今回はそういうのも見せてくれるんだなと。BGM補正もかなり効いている。
Watch Dogs2
まあまあ。
陰鬱だった初代から一転してロケーションも主人公もシナリオ展開もエンタメ陽キャ要素がメガ盛り。バカゲーとしてプレイするのが正しい内容で、サイバー・ドライバーミッションやgoogleをパロッたNudleをハックするミッションがそこらへんの最高潮だったやも。本シリーズ独特の万能ハッキングで様々なシチュエーションに対応する楽しみもあるし、自らカオスを生み出してコントロールする側にまもれる破天荒さもひとしお。
シナリオ面に関していうと、だいたいペルソナ5(無印)。
正義の味方を自称して陰謀論でささやかれる存在がそのまま具象化した悪徳企業や汚職警官を相手取ってむちゃくちゃなことをやるのだが(ぶっちゃけテロだろこれみたいな活動もある)、ブルームがテクノロジーで人々を支配している!と主張するデッドセック側もハッキングを悪用しているとみられる場面は多々あって、主人公のマーカスすらいたずらのためだけに銀行のATMをハッキングする始末。一般的な善玉・悪玉概念に照らし合わせるなら、悪玉と悪玉が抗争してるだけじゃね?としか思えないのだが、特にそういったことを追求してくれる相手も出てこなくて終わる。ペルソナ5無印ですら、明智くんが怪盗団って本当に正義なんですかね?といい質問をしてくれていたのに(その後踏み込まれないテーマだったのでガチで当時がっかりした)。陰謀を止めるために世界中の衛星と中継所をハッキングする過程で韓国の発電所をめちゃくちゃにする場面はさすがにバカゲーとしてプレイしていた俺も真顔になってしまったのだがマーカスもレンチも笑ってるし、Tボーンが「俺のトラウマのような事件に繋がらないことを祈るよ」とコメントしてるけど救いになってないどころかいやお前もっと本気で怒って止めろよ!なんで他人事なの?くらいにはかんじた。
Gravity Days同様、出発点となるアイデアだとかそれを活かすためのシステムまわりは飛びぬけてエピックな出来なのだが、良質なストーリー体験がついてこないために微妙な印象におさまってしまうゲームというところ。ホレイショの扱いとかマジで何だったん?