最近(?)プレイしたゲームの感想

■marvel's spider-man

 まあまあ面白かった。

 

いわゆるオープンワールドとして扱われるゲームはいくつもある。未知の風景を時には立ち止まって眺めたりしながら冒険するような世界を見せる系はまあまあプレイしてきたが、今作はプレイヤーがスパイダーマンを操作してる感を最大限に魅せるためにオープンワールド形式を選んだような感覚をおぼえる(余談だがオープンワールドゲームの公的に厳密な定義が出てきていたら、ぜひ教えてほしい。すっかり親しんだジャンルなのだけれど、今でも主観的に「いやニーアはオープンワールドじゃなくね?」みたいに感じていたりするので…)。

 

舞台はスパイダーマンもファンもよく見知ったニューヨーク。現地在住で無くても見慣れた風景は、スパイダーマンとして素早いスイングで渡り歩いていく体験を映えさせるためのスパイスとなっている。未知の世界を冒険して愉しむためではなく既知の世界をスパイダーマンとして来訪して楽しむためにオープンワールド形式が選択されている(実際、作中のランドマーク的なスポットの存在感はピーターが軽くコメントする程度におさまっている)。

 

移動に関連するアクション自体は俺が最後に遊んだPS2スパイダーマンゲー(アレックス・ロス版コスとか使えるやつ)を発展させたものでそこまで目新しくなかったが(さらにその大元もあるのかもしれない)、移動の気持ちよさ自体をセールスポイントとして最前面に押し出すのはスパイダーマンファンに向けたゲームとしては大正解だろう。連続して発生するランダムイベントにはヒーローとして即座に対処する責任があり、タイムアタック的な要素が絡むミッションも多く存在したりと、広大なフィールドの素早く軽快な移動が求められるような体験がぎっしりと詰め込まれている。

 

気持ちの良い移動そのものをアピールするオープンワールドゲームはけっこう存在するが、エリアを純粋にスパイダーマンになりきっての快適な移動をたのしむためのアトラクションとして特化させているのは素直に心地いい。移動手段そのものにゲーム性的な快楽を見出せる、個人的に思い出深いタイトルはパルクール(フリーラン)を用いた『アサシンクリード』や『ミラーズエッジ』、『アンチャーテッド』などいろいろあるが、キャラゲーの強みを活かしていて見事。

 

不満を抱いた点としては、ビルの屋上などで戦闘する機会が多いなかバトル中のミニチャレンジの項目に「敵を高所から落とす」が存在したことか。スパイダーマンファンとしてはスパイダーマンに積極的な殺人をさせたくないので無視してしまった。スパイダーマンオタクも興奮する要素が散りばめられているらしい本作にしては珍しく迂闊。サム・ライミ版のウェブスーツを用意してくれたのが嬉しすぎてあまり気にならなかったのが幸い。

 

Mass Effect:Legendary Edition ( 1~3 )

面白かった。

 

スペースオペラとしてナンバリングを経るごとに物語の壮大さが増しており、それがゲーム中の戦闘の激化にもリンクしている点が良い。徐々に事態の危険さが鮮明になり大きな危機感が生まれていく1、かつて敵対した組織に利用される立場となってでも使命感に燃え人材を集めチームを作り困難に対処していく2、これまでの総決算で圧倒的な敵対者に抗う3、と各タイトル単体で見てもシナリオのコンセプトがシンプルに盛り上がるように構成されている。

 

シナリオとしては王道に盛り上げる路線をとってくれていたが、3はプロットそのものは最終決戦という最強の柱に支えられ最強カレーライス待ったなし状態だったにもかかわらず、勢いを削がれていた。特に最終盤で迫られる選択は期待していたカタルシスがしぼんでしまっている。


ポッと出の上位存在にこれまでのシェパードの旅路(とその意思決定を担当してきたプレイヤー)をなあなあにしてしまうような選択肢を推奨されるのはシンプルに気にくわない。クリア後にそのエンディングも確認してみたが、映画『バタフライ・エフェクト』の没エンディングに対する監督のコメントを借りるなら、"Happy Sappy Ending"と形容するほかない。物語の壮大さとシェパードの選択が世界を左右する気持ちよさを最大限に高まらせる試みだったのかもしれないが、こんなん盛るくらいならイルーシヴマン側のエピソードとか他をがんばってくれ(いちおう批判を受けてのアップデートで改善されたあとの内容らしい)。

 

3のシナリオが異質すぎたから気になって調べてみたところ、2までのリードライターが同ディベロッパーが開発するスターウォーズゲームのほうにまわっており、3には参加しなかったようだ。開発陣の楽屋話を作品の受け止め方に影響させるような姿勢は誠実さに欠けるが、作風に違和感を抱いた状況では強い関連性を見出したくなってしまう。

 

3にはケチがついてしまったが、やはり1~2をプレイしてシェパードや銀河の人々に愛着が湧いた状態でならプレイしても損はないだろうと断言する。なお、3のエピローグは物足りなかったが、そこはDLC:シタデルが十分以上に補完している。クリア後に遊ぶことを推奨したい。

 

余談だが、マスエフェクトを走り抜いた経験から、『ウィッチャー』シリーズをいきなり3からではなく、ちゃんと初代からセーブデータを連続させて『ウィッチャー3』に至っていたらどれだけ感慨深くなれたのかがすこし気になった。もう実現はかなわないが。

 

3はシナリオは残念だったが戦闘面ではTPSとしてかなり洗練されていたし、バイオティクスの凶悪さがより増していたのがgood。1→2の変化がかなり凄まじく印象を奪われがちだが、ブラッシュアップもしっかりやっている。

 

Final Fantasy 14 (紅蓮まで)

まあまあ面白い。

 

漆黒のシナリオ目当てに始めたためあまりネトゲ的な楽しみ方はしていないのでストーリーに関する印象を書くと、物語の鍵となり得る設定を持つキャラクターの扱いに失敗している印象を受ける。前回のおぼえがきと内容が被るが、ネタバレを避けずに書く。

 

設定盛りめだったミンフィリアはなんかパッとしないまま姿を消してしまい、みんな大変だった時期に気がついたらよくわからん立場になっていたし、代わりにそのポテンシャルを発揮するように思われていたイダもパッとしないまま別組織の地位におさまっていった。

 

ミンフィリア関連はもともと描写が足りていなかっただけなので漆黒でリカバーしてきそうな気配がある。一方、紅蓮のメインシナリオで主人公を担当したリセの欠落を埋めるのは困難だろう。大いなる犠牲をトリガーに覚醒し、前進していく物語としては不満足な内容となっていた。初登場時はキャラ造形としては浅めな部類に属していたゼノスがじわじわとキャラ立ちし、光の戦士を通してプレイヤーにつきつけるようにして戦いの悦楽の共感を語らせるまでに至ったというのに、肝心のリセはふんわり悩んだり怒ったりしただけでアラミゴ奪還が終わってしまったのは悔やまれる。イダとしてパパリモとコンビやってた頃の方が輝いてた気がするなあ(ゼノス戦後にリング外から現れて罵倒したシーンが俺の好感度的に致命傷だった)。

 

個人的な話。一番はじめは褐色の♀ミコッテでゲームを開始したものの、操作してても会話シーンを眺めていても愛着も沸かず関心も持てないモブのようにしか思えず、生まれて初めてネトゲの性別変更機能を使用し、女性キャラから男性キャラに変更した(!)

 

 

 

♂ルガディンを選んだのは鎧装備をカッコ良く着こなせそうなのと、強そうなのでストーリーでの英雄扱いや頼りにされるオーラに納得感が出そうなのを期待してのことだったが、この姿になってからは一気に愛着が湧いて自分でもおどろいた。ただし対人ゲーにかまけていることもありいまだに純ヒーラーを継続しており、鎧を着たことは一度も無いが...。女の子キャラ使えば幸せになれるってわけでもねえなとしみじみする体験であった。

 

対人ゲーetcにかまけて肝心の漆黒が全然進んでないので気合を入れている。EXVSシリーズが面白すぎるから仕方無い。

 

■Incsryption

面白かった。

 

クリア直後に書いた感想↓

 

fusetter.com

 

クリア直後はゲーム内におけるゲーム内外の展開(クソややこしい)がはっきりとリンクしていない点がかなり不満だったが、今振り返ると、ゲーム内での物語自体は根本的な真相が朧げであろうと明確に完結しているし、あの挨拶も惜しんで最後まで遊び続けたあいつあたりとか、美しささえ覚えた瞬間もあった。あそこ好き過ぎる。

 

ゲームとしては、ACT1もACT2以降もかなり楽しんでいた。

 

カードゲームを対人で始めると資金と相談しながらTier1デッキのコピーするのが既定路線だが、相手がNPCに限定されているオフゲーでは気楽に適当に構築できるし、それなりの試行錯誤でどうにか勝利はできるようになっている。この種の時間の浪費に繋がりづらい気軽さは社会人としては非常にありがたく、ストーリーつきの魅力的なキャンペーンモードを遊べるカードゲームにもっと触れていきたいところ。

 

■one step from eden、slay the spire

2タイトルぶん。いわゆる構築型ローグライクゲー(いまだに『ローグ』を遊んだことないけど)。

 

雑に言うとone step from edenはロックマンエグゼ寄り、slay the spireはハースストーン寄りみたいな感じ。どちらもストーリー性はほぼ無いに等しく、とにかくゲーム体験を優先している。

 

この種のゲームは、最初は手探りで少しでも先に進めるようプレイングを模索し、初見殺しを受けたら死んで覚えるを繰り返して進んでいき、最終ボスっぽいのにぶちあたったら今度は最終ボスを安定して倒せる構築を意識するようになるのが定番の流れだと思う。

 

そういう流れを意識して遊んでいると、「適当に遊んでいてもとりあえず数をこなせば最終的にクリアはできるだろうな~」みたいな考えが浮かんできてしまい、やがて「時間をかければクリアできることがわかってしまっているのだから、あえてこれ以上時間をかける必要は無いな~」に行き着いてしまう。

 

one step from edenは複数エンディングまで確認したが、slay the spireでは見事にこのパターンになった。サイレンスのソリティアデッキが完成して大喜びで進行していたところに痛烈なアンチ・コンボ特性を持つボスが出てきて激萎えしてしまい、もうコレ以上やらんでいいかとなった記憶がある(複数のボスが用意されており、ランダムで遭遇する仕様)。

 

純粋なゲームプレイだけを求めて遊び続けられる人でいられたらそれがベストだが、

やはり繰り返しの試行錯誤を求められる性質のゲームには高いアクション性と結末が気になるストーリー、いずれかが無いとやる気は起きない。もっと体験を楽しむ気持ちを強く持った方がいいのかもしれないが、自分に向いていないことにムリに取り組んで空回ってもやむなしか。

 

最近アークナイツでローグライク的なイベントが常設されてアホみたいにのめり込んだのも好きなキャラクターのストーリーがそこに関与していたこと、作中世界設定にまつわる情報の断片を拾えることが大きかったと記憶している。

 

■ライフイズストレンジ トゥルーカラーズ

ガチでつまらなかった。

 

言及したいポイントや褒めるところがない作品についてはあまりブログに書かないようにしているが、現時点で既に2022にプレイした中でぶっちぎりワーストなタイトルとなれば話は別だ。

 

『ライフイズストレンジ2』が2020に遊んだ中でベストタイトルだったから今作もかなり期待しいたのだが、シンプルにキャラクターもシナリオも演出も、何より大事なプレイヤーの選択による結果の分岐の幅も、シリーズ作品の水準に到達していない。ボリュームも乏しくすぐにエンディングにたどり着く(フルプライス)。引き返せない選択を迫られる緊迫感などほとんど無いまま、先行きが見え見えで何も感心できないクリシェを見せつけられただけで終わってしまう。

 

単純に全体のクオリティが低いタイトルなので感じた問題点を具体的に書く気力すら無いけれど、ゲームを買うのに費やしたお金やクリアにかけた時間がもったいないレベルのゲーム体験は本当に久しぶりで、軽く衝撃を受けた程度には呆けてしまったのでここに書いておく。最大限の期待をもってのぞみ、砕け散った補正は当然強烈なものとなったが、それを差し引いたとしても、さすがにこれ以下のゲームに今年中に触れる機会はそうそう無いと信じたい。