2月~3月に遊んだゲームの感想

 

ホグワーツ・レガシー

ハリー・ポッターシリーズの世界観に浸るためのゲーム。

ホグワーツで魔法使いとしての授業を受けたり、学友の頼みを引き受けたり...。そこらへんを歩いているだけで聞こえてくる純血派生徒のヘイトスピーチ、友達を動物に変身させて戻せなくなり保健室に駆け込む生徒、吠えメールで親にめっちゃ怒られてる生徒、映画では存在をオミットされていたピーヴスさえ各所で大暴れ!

 

戦闘はハードモードでやったが想像よりも骨太なゲームで、多対一が基本となる上戦闘中に呪文セットを切り替えながら戦うことになるので操作が非常に忙しく、画面を見ながらパリィと回避を選択する必要もある(パリィは中盤以降ほとんど使用しなくなってしまった)。ただ、慣れるとプレイヤー固有のオリジナルコンボを活用して無双できるし、魔法薬や魔法生物の高性能ぶりも体感できるため程よくたのしいアクションRPGとなる。ホグワーツで学んだことの重要さが身にしみる。

 

美麗なグラフィックで再現されたホグワーツ学内を見て回れるのもいいが、何よりブラックジョークにまみれた世界の愉快さには惹かれるものがある。薬草学のミラベル先生は、前任の教師は目玉をくり抜かれて魔法病院に行ったの!とかサラッと言うし(魔法界なのでおそらく問題なく治ったと思われる)、ゾンコはいたずらグッズにあふれており、負ければ腐乱した臭いの液体が顔にふりかかるゴブ・ストーンを用いようとしてハブられてる女生徒とかも出てくる。

 

こうしたあそびに溢れた世界はかなり心地いいのだが、これに対して用意されているシリアス展開の毛色のちがいは興味深いものではなく、空気感のギャップ的な面白さも特に無い(原作を読んでいる時も似たようなことを感じた)。主要キャラであるはずのヴィランには一切魅力が無いが、主人公が彼らの部下を容赦なく虐殺しながら苛烈な発言を繰り返す流れ自体にはブラックジョーク的な愉快さがある(いちおう倒した敵が後々あの時はよくも!みたいなことを言ってきたりするが、死の呪文を当てたり古代呪文で肉体を消失させたりしているので普通に殺人を犯している)。またそうしたブラックジョーク的な楽しさはホグワーツ周辺に集中しているため、オープンワールドとしての魅力はそれほど感じなかった(箒での移動とかは快適で楽しいが)。珍妙不可思議さこそがハリポタシリーズのエッセンスなので、残念なレベルの平均値的な要素(どこまでの平凡なヴィランとか)その魅力を減じているがハリポタワールドの強度で保っている。ラスボス戦とかも設定を考慮すればアツい!...はずなのだがそのポテンシャルを活かしきれていないのは『仁王2』とかでも通った。見せ方がいちばん大事。

 

バイオハザード7

ホラーゲームというジャンルには金字塔のSILENT HILL2やSIRENを筆頭に思い入れがあるのでいい加減やっとくかと思い至りプレイ。5~6で超人アクション路線が激化していたのを反省してか、サバイバルホラーをやっていた初代への正統な原点回帰を果たしている。暗闇の廃屋を主観視点で進まなければならず、貴重なアイテムはオブジェクトに隠れるように配置されていて、見えない敵の存在に怯えながら廃屋を探索していかなければならない。ひるませた敵をぶん殴ったり蹴り飛ばすこともできないしナイフは貧弱。サバイバルホラーだねえ..!としみじみ。特にモールデッドが大量に湧く地下は弾薬の消費を強制させられ、すごく質のいい体験ができた。

 

ホラー要素が強かったのはマーガレット戦後の子供部屋まででルーカス編以降は薄れていくがここはやむなしだろう(プレイヤーもイーサンもすっかり順応してしまう)。またサバイバルジャンルの宿命と言うべきか、プレイヤー側は物資の温存を心がけるようになるため中盤以降はむしろ弾薬が余りだす。俺はラスボス直前の雑魚ラッシュすら最低限の弾薬消費で走り抜けた結果、大事に温存してきたマグナムをほとんど使用することもなくエンディングを迎えた。イベント戦闘...!

 

DLDはたくさん用意されているが以下の2つだけプレイ。

 

・Not a Hero

いつものバイオハザード。タフな男がすべての敵を撃滅する!

 

5DLCのLOST IN NIGHTMAREもそうだったが、ホラーゲームにおいて主人公側が強すぎる場合はほぼ不死身な敵を出すのはやはり鉄板。また主人公が強すぎる代わりに同僚はバンバン死んでいくのも定番...そんな感じ。だけどクリスの場合はもう恐怖感とかじゃなくて「また守れなかった」系悲哀のヒーローって感じなんだよな(彼らも志願して任務に臨んでるわけで助けを待つ市民ではないのだが)。

 

・End of Zoe

ここだけ吹き替えボイスでプレイ(ジョーの吹き替えがマーカス・フェニックスなので)。悪ノリ痛快エンタメアクション。多分アメリカ人に大ウケ(偏見)。

 

バイオハザード ヴィレッジ 

バイオ4を意識しまくったホラーアクション路線。とはいえ序盤はしっかりサバイバルホラーをしてくれており、装備が潤沢になる中盤以降は恐怖感が無くなるのもお約束。人形を操るドナとかB.O.Wの異能がインフレしすぎてなんでもありじゃない?と思わなくもないが素直に面白かった。消化試合だった7終盤と違い、こちらはラスボス戦までガッツリ弾薬を使うのも良し。

 

ホラーアクションとして良ゲーなだけではなく、7も含め先に見せていた・仕込んでいた要素の解き明かし方が良質。エンディング後のDLCシナリオでもそのへんが徹底されているあたり、7・8のシナリオはかなり信用できる。

 

強いて気になるところを挙げるなら、ドミトレスクやハイゼンベルクの攻略時間がかなり長めなのに対してドナとモローが短すぎるところ。ドナは本ゲームのホラー要素を担保する役割を持たされているのもありほとんど謎解きイベントだけで攻略できるからまだわかるが、モローはちょっと雑魚処理してちょっと道進んでボス戦こなしたら終わり。ストーリー上特に存在が必要なく、キャラも立っていないかわいそうなボス止まり。垣間見えた狡猾さを押し出そうとすると7ルーカスの焼き直しみたいになりそうだしやむなしなのやも。

 

余談だがドミトレスクステージを終えた後に武器商人のデュークから今作のボス格がムービーつきで紹介されるくだり(一応ステージ攻略順に若干の自由度アリ)でちょっと笑ってしまった。ノリノリすぎていきなりゲームのジャンル変わるじゃん!?って感じだけど、ホラーゲーム的にボス格は逃れるべき怪物になるポジションにおさまるものだけれど、ヴィレッジの幹部達はドミトレスク戦を経て恐怖する対象から討伐する必要があるボス敵に再設定される。ここのムービーで愉快になったのは鮮やかな転調を見せられた気分なのもあるっぽい。

 

■無期迷途

俺のTLでひふみさんしかやってる人が観測できないゲーム。

 

始めたきっかけも大阪にひふみさんとの飲みからいっときのテンションで生じたdostiに寄り添って触っとくか...くらいのノリだったのでひふみさんのノリを見ていると徹頭徹尾強い女のパレードみたいなイメージを抱いていたのだが、いざゲームを開始すると

 

・不穏な無感情系異能持ち美少女

・ちょろい系ストリート育ちアウトロー美少女

がメインストーリーの固定パーティーで面喰らう。

 

メインストーリーでは男女問わず危険人物が跳梁跋扈するが、局長は彼らの権謀術数に翻弄されるだけではない。自らの命を囮とすることで任務を達成していく。あまりにも振る舞いがハードボイルドすぎるため、プロローグで頼りすぎると破滅しますよ~ヤバい存在ですよ~気を許しちゃだめですよ~みたいなオーラ出してた不穏な無感情系異能持ち美少女・ヘカテーが単身デコイを繰り返す局長を必死にフォローさせられている始末...。『メギド72』とか他のフリーミアムアプリゲームでも思ったが、周囲がトリックスターだからこそProtagonistにも過激な味付けは必要になってくるものだ。無難な人畜無害としてのアバターではなく、物語を躍動させるような明確な他者が求められているんだなあと感じる。

 

さて強い女成分はどうなったのかというと、アプリのアイコンを飾る強い女代表・ゾーヤが目覚ましい活躍を見せつけている。ゾーヤはひたすらにただ強い存在でありつつ、それでもなおより強大な存在には苦しめられてしまう。そして全力で抗う、と益荒男じみたキャラクター性をしているので素直にシナリオを読んでいてとても心地よい。カッコ良いキャラが次の瞬間ゴミになるみたいな事態を恐れずに読み進められる経験は得難い。

 

 

この程度のものに負けるはずはないシーン

 

 

 

ちなみに無期迷途、典型的な強い女オンリー!ってわけではない。最初の出会い方は最悪だったのに気付いたらめちゃくちゃ懐いてるヘラとか家族にひどい扱いを受けているお嬢様にすぎないアリエルとか、ノリが良くアホなEMPとか、ちゃんとそういうキャラも用意されている。カッコ良い男キャラだっている。口が悪いケルシーも出てくるし...。

 

シナリオもキャラも今のところ良好で、TDとしてもアークナイツで得た経験値や先入観を打ち破ってくるようなシステムになっているので(いわゆる重装枠のエンデュランスがそこまでだったりとか)、新鮮さも含めてかなり高評価。

 

勝利の女神 NIKKE

低モチベ話です。

 

リリース当初は結構楽しんでいたがやらなくなってしまった。キャラクター、グラフィック、メインシナリオ、BGM、どれも良好にも関わらずさっぱり触る気がなくなってしまった。元凶はおそらく160レベル停滞問題にある。

 

・160レベル停滞問題とは

NIKKEではキャラクターの育成レベル上限を解放するためには合計5キャラを凸した上で一定以上育成しなければならないのだけれど、その過程でSSRキャラ3凸を5体並べて育成する必要がある。完凸できていないSSRが1体でもその枠に入っていると、完凸SR等を代用で入れても160レベルで上限がストップしてしまう

 

メインストーリー(たしか17章あたり)がいい感じのヒキを見せたはいいがこのシステムの都合とガチャ運の問題でだいたい1ヶ半~2ヶ月くらいメインストーリー進行が停止し、デイリーを消化しても何も起こらない日々が続いた。迎撃戦とか頑張って装備強化とかやることないわけではないけど、いちばんわかりやすく気持ちよくなれる成長曲線をガチャの都合でストップされるのは虚しいものがあった。頼みの綱となるイベントシナリオも『MIRACLE SNOW』は抜群に面白かったが、それ以降は既存キャラの闇を垣間見つつ一緒にまったりしたりよう知らん新キャラとイチャイチャしたりする話が続いていた。

 

モチベに完全なトドメを刺したのはチェンソーマンコラボ。

 

チェンソーマン原作ファンとしてコラボで一番目にしたくない類の虚無シナリオを目の当たりにすることになり、このゲームで初めてスキップ機能を使用した。以前ポケモン剣盾の感想を書いた時も元々話の良さとか期待するもんじゃないでしょ~みたいな主旨のコメントを受けたことがあるが、そもそも話の良さが期待できない作品を優先して見限ってきた人間としては最も致命的なポイントになる。現代なんだからそこは慣例的ななあなあで済ませずちゃんとした話を読みたい。

 

チェンソーマンコラボの最中になんとかSSR3凸が5体揃い180レベルの壁を突破できるようにはなったが、160レベルでの長期停滞からのよくわからないコラボで冷めたテンションは戻らず。育成かメインクエストが緩和されたらまた時間を置いて触るかも。

 

絵柄が濃くてキャラがエロくて話が面白くてデイリー負担が殆ど無くてディストピア世界な競合ゲームとしては『ラストオリジン』が存在するのもデカいかもしれない(競合に心当たりがある=代替可能って発想自体が今のテンションに引っ張られているものなので、そこは念頭に置いておく)。