機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)  -BEGINNING- 感想

それなりに面白かった。

 

以下ネタバレありなのでTV版待ちとか行く予定の人は注意

 

 

 

ifシャア編

前情報ゼロで行ったから流石に開幕一秒で畳みかけられてワロタ

サイド7侵入→そこからやるんだ!?

 

シャアがライブ感だけで動く男なのを再認識させられつつガンダム登場...ガンダム

明らかに俺達の知らない形をしたガンダムが登場することで、オリジナルのファーストの世界をそのまま使っているわけではない(別のバース的なやつ)と明示しているものと受け取った。

 

シャリア・ブル抜擢は興味深い。小説版では味わい深いキャラであるという風聞だけは聞いていたのだが、いかんせん俺が知っているTV版の印象では強そうな兵器に乗って出てきたけど強すぎるアムロに1話で撃破されちゃったやられ役程度の存在感しかなかった。

 

長時間熟成されているっぽいワインが入ったグラスを置いて利き腕で握手するシーン+新しい時代を!という声かけ、比喩が効いてて好き。「勝利の栄光を、君に!」とかもそうなんだけど、シャアは話術もいけるから相手のテンション上げる術を知っている

 

2人で無双しまくるけど肝心な場面でアドリブ入れた結果セイラに殺されかけるし会話すらできないまま生き埋めにされ、その挙句サイコミュが共鳴?暴走?して行方不明になるシャアに笑った どう考えても経緯的に真っ先に疑われるのお前な状況やんけ...!

 

イフヤ編

コモリが画面に映ったあたりからキャラデザのギャップがどんどん出てくる。

時代はファーストの0079でもZの0087でもない0085なので作中の年数はそこまで経過していないし、実際レギュラー的な立ち位置以外のキャラ(鹵獲木馬クルー)は宇宙世紀ガンダムと現代の中間くらいのモブって感じのデザインになっているのが興味深い。

 

でもまあキャラデザのギャップが劇的になるのはマチュとニャアンが登場してからだった。俺は本当に何も前情報を仕入れていなかったので、え?キャラデザ竹やんで脳内が埋め尽くされ、20年前に通過した戯言シリーズが頭をよぎった(実際キャラデザは竹だった)。

 

その後ポメラニアンズの登場シーン、ジェジーのルックスと言動で、ああ世界が鶴巻作品に切り替わったのだとようやく脳内の整理がつけられた。

 

映画前半とのギャップはキャラクターの画風だけではない。スマホやらウーバーイーツ的なナニカやら突然舞台が現代日本都市アニメ調に切り替わってしまうので、ifファーストの世界観に目を慣らしてきた観客は再び混乱する。現状、年代の経過というよりはマチュのエピソードが現代日本都市アニメ調の雰囲気で、シャリア・ブルら軍人周りは宇宙世紀ガンダム寄りの雰囲気という風に分断されているような印象もある。シャリア・ブルが筋を通すくだりのやりとりとか偉い人のコメントはちゃんと富野節だし。舞台の現代化は、現代人をガンダムの歴史にシームレスに接続させ、よう知らんオッサンの話ではなく自分たちの話なのだと提示する手法なのだろうと捉えることにした。

 

とりあえずマチュはかわいい。竹のキャラデザでbest kawaii girlかもしれない。

相棒格であろうニャアンが導入では半モブの雑魚みたいなノリで終わってしまったが、シュウジの掘り下げもあわせて今後に期待するしかないでしょう。

 

突然持ち込まれたマブ(MAV)なる概念はおもしろい。もともとは作中の軍用用語だが、スラングとなり様々な意味が付随するようになったのが見てとれる。シャリア・ブルもMAV概念に触れるが、軍事教本上の説明までしか口にしないのが良い(自分とシャアに関する質問はシャットアウトしているようにも見える)。

 

 

 

1本の映画として観た時、とにかく強烈な印象を残したifシャア編に対して、イフヤ編になったとたん脚本がパワーダウンしているように感じる。大目標らしきものが見えず、なんか素朴にやっていくのだろうか程度の予想しかできない。とはいえ、イフヤ編はシャリア・ブルのキャラクター強度だけでも最低限の面白さを担保できると理解した(「今日の天気は?」)。シャリア・ブルのリワークは大成功であり大正解だろう。

 

主人公であるマチュ達がこれから何を目指してどこに向かっていくのかのビジョンは本当に不明瞭だ。本作は現状では最後に倒すべき宿敵も敵勢力も存在していない。マチュが何を理由に自由を求めているのかも伏せられている(ここはティーンエイジャーが抱える閉塞感、くらいのノリでもいい)。クランバトルをだらだらやっていたら水星のデッドコピーになってしまいそうでもある。

 

それからもう一点、ニュータイプ(NT)の異能が主テーマにかかわってきそうなのは懸念点だ。ガンダムのNTストーリーは、登場人物のドラマを選ばれし者たちの物語に神格化させてしまう。特別な存在同士でかわされる会話は、ドラマとしてはかえって安っぽいものに転じてしまいがち(逆シャアの決戦でシャアが情けない人間臭さ全開なのは良かった)。

 

ストーリー的には本当にこれからの展開次第というところだろうが、ほどほどに期待しておこうくらいの温度感。

 

 

それにしてもシン・ゴジラやらシン・仮面ライダーやらシン・ウルトラマンやらSSSS.GRIDMANやら....旧ガイナックスの面々が日本の古来からの特大タイトルのリブートやら新展開やらを一手に引き受け、現代に通用するようかたっぱしから調理しているわけだが、とうとうシェフの指先がガンダムにも伸びた。複雑な心境である。俺もこうした調理後のタイトルを楽しませてもらっていたりするんだけど、どうしてもFLCLのメディカル・メカニカが超巨大アイロンで惑星を均していくあの光景を連想してしまうね。