人類をいやす漫画、『こじらせ百鬼ドマイナー』を紹介したい

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2020年4月、1話からずっとジャンプ+で追いかけてきた大好きな漫画『こじらせ百鬼ドマイナー』が完結した。

 

この素晴らしい漫画が5巻で完結してしまったことに対し、「毎月100冊くらいSQを購入してアンケートを鬼連打していれば...」「ヒョロワーを洗脳して1人10冊購入させていれば...」などと後悔せずにはいられなかったが、今できることをするほか無し。そこで、今からでも知り合いに読んでもらえるよう、『こじらせ百鬼ドマイナー(以下、こじらせ百鬼)』を紹介する記事をこしらえることにした。

 

 

[1話]こじらせ百鬼ドマイナー - 南郷晃太 | 少年ジャンプ+

 

あらすじ(ジャンプ+ページより)

四国の妖怪たちが通う高校に転校してきた渡海くん。そこで彼が出会ったのは「河童」や「雪女」「座敷わらし」ではなく見たことも聞いたこともないマイナー妖怪たち。明るい高校生活を過ごす彼女たちだったが…話せば話すほど、みんな例外なく、こじらせていた——!! [JC全5巻発売中]

 

あらすじでお察しの通りファンタジー要素を含む日常コメディ。主要人物グループは男2:女3で構成されており、女の子全員が主人公に惚れる類のハーレムものではない(基本的には異性の友達感覚で進行する)。

 

個人的に読者としてコメディものを読む上でネックになりがちなのは、シリアス展開の濃度が増してしまい、作中空気感の均衡が崩れてしまうこと。コメディもの作品に限らないが、下記のようなシリアス展開があるとする。

 

新キャラが場をかきまわす→メインキャラが号泣or苦悩→なんやかんやあって笑顔で仲直り

 

この3段コンボが雑に飛んでくるか、それともコメディとしての空気感を壊さずに迅速かつ丁寧に処理されるかによってかなり作品の感触は異なってくる。

 

こじらせ百鬼では主要キャラとして過去にトラウマを持つ人物や未来の生活があまり楽しくない宿命を持っている人物が出てくるが、皆ポジティブで常に前を向いていることから必要以上に湿った展開にはならない。また、安易に問題点そのものが乗り越えられ/解消されて解決!ではなく、現実的に残り続ける問題点を抱えたまま前を向いていくというスタンスなのも心地よい。例えば卒業後友達に会いに行けない生活を送ることが決まっている人物は、だからこそ貴重な今を面白おかしく過ごすと語って見せる。苦悩を必要以上にドラマティックなものにしない、等身大的な在り方が映し出される最高の空気感を持つことがこじらせ百鬼の特徴と言えよう。

 

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こじらせ百鬼で飛びぬけたポジティブさを誇る主要人物、赤頭光子。この漫画、各回の扉絵にも作者の愛が発露されているのが凄くいいんすよ...

 

とにかくかわいいキャラが沢山出てほどよい温度でワチャワチャしてくれるこじらせ百鬼。1巻時点では主要キャラ同士のふれあい・掘り下げが優先されており、男友達枠である相模くんが参戦してくる回では若干展開に強引さも見られるものの、2巻以降は作者のデッキが猛烈に回りだす。特に看板ヒロインである飴宮さんの破壊力が凄まじい勢いでスケーリングしていくため、安心して読めるラブコメを求める人にもおすすめしたい。具体的に言うと「古見さん」とかが好きなら問題ないと思います。

 

 

シチュエーションも豊富で、唐突に冬服ファッションチェックが始まったり

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堅物すぎる鬼の風紀委員が羽目を外す練習を手伝うことになったり

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Twitterでバズッた尊い系漫画に画像リプライ送ってる人みたいな妖怪が出てきたりするぞ!

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まずは2巻まで購入して味見してみて、肌に合ったら5巻まで読んで頂ければ幸いである。前向きにマイナーをこじらせよう!単行本の書下ろしでは四国ネタも出てきて観光意欲を刺激されるぞ!

 

[1話]こじらせ百鬼ドマイナー - 南郷晃太 | 少年ジャンプ+

 

最後に、世界観を共有している同作者の読み切り作品がtwitterで公開されていたのでリンクを貼っておく(こじらせ百鬼のクラスメイトに読み切りヒロインの妹がいます)。

 

 

もし本記事を参考に、単行本ご購入と作者様のtwitterフォローをご検討頂けますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。