シャニマス ノクチル感謝祭の感想 浅倉透コミュ/【まわるものについて】、樋口円香コミュ/【UNTITLED】

ノクチル感謝祭、期待通りのバランス感覚で良かった。明確に天塵後の物語になっていて、しっかりユニットとしてのアンサーを出してくれて、バラバラなのがノクチルらしいという大事なメッセージもあった。小糸と雛菜は実質的に感謝祭シナリオの主役だろう。アイドルとしての自己を確立させて感謝祭でやりたいこともしっかり提言している姿が良すぎてもう感想を書く必要がないくらい綺麗にまとまっている。浅倉はとうとうアイドルとして目覚めつつある。そして樋口。

 

樋口...。。

 

■感謝祭樋口(と【UNTITLED】)

 WING後、すなわち心臓を握ったあとの時系列において樋口がシャニPに対してどういう態度になるのか気になっていた。

 

描かれたのはディスコミュニケーションだった。

 

宣言通り以前の態度に戻ったものの、リハや本番前後の不満を口に出す樋口とそれを和らげて送り出す・労うシャニPのやりとりはWINGを経ていないとできないもので、確かな蓄積が感じ取れてうれしい。だが樋口はOPでシャニPの声が聞こえていないし、他3人が確かにファンを意識して透明ではなくなってきている段階でも変化を拒み、留まり続けている。一度飛んだ/飛ぼうとした経験を既に持っている樋口だが、生き方を変えようとは思わないらしい。

 

以前の記事やtwitterで樋口はWING編で早々にアイマスの文法に飲まれてしまったのが惜しい、みたいなことを書いた。これが覆されたと言い切れるかどうかはGRADを待たねばならない。

 

個人的には、樋口が変化を拒むことについては本人が心からそう望んでいるなら問題無いんじゃないかなくらいの温度感ではある。もともと樋口は幼馴染達との日常に満足していたであろうことが【閑話】コミュで語られているし、状況を変えてしまったのは浅倉を、そして樋口をスカウトしたシャニPなので、アイドルとしての樋口円香がどこに着地するのかについてはシャニPとセットでなければ動かないだろう。

 

GRADあさひが示すようにシャニマスはすべての登場人物に対して予定調和的な成長を推奨し矯正していく類の作品ではないので、これから樋口がどのような方向に行くのかはまだ読み切れない。溝を埋めるのか、溝があることは認識しながらも続いていくのか、そもそもそれは溝ではないという結論になるのか。かつてシャニPは樋口がいてくれればそれでいいと言ったが、樋口がいまのスタンスで本当に幸せかどうかを最重要視して問いかけることは想像に難くない。樋口は現状でもステージの上にいることを「悪くない」とはコメントしているので、なにか絶妙な落としどころ、妥協点が見つかるかどうかに注目している。【カラカラカラ】[エンジン]でシャニPが言葉にしたかったことを伝えてキレイに〆とはいかないだろう。

 

樋口はWING編で辛さに耐えられなくなり、終盤でシャニPに弱音を漏らし、しばらく態度を軟化させていた。だが感謝祭ではすっかり元通りの外面になっていて、そして樋口はヤワな人間ではない。

 

以下は俺個人の好みに基づいた勝手な願いなのですが、

 

今の樋口がオーケイなのかどうかは樋口にしかわからないが、もしGRADで実はやっぱり辛いと感じていたことが判明したとしても、自分の力で立ち続けるタフさを見せてほしい。弱音を吐いてシャニPに支えてもらう、ではWING編のリフレインになってしまうし、"緩まないように"態度を戻した意義の根っこが無くなってしまう。樋口は責任感やケジメ意識が強いし、そういう過程を経ているからこそシャニPのことを"嫌い"なままで、本当に辛い時でも誰かの助けを借りずに再起してほしい。シャニPも露骨に手を差し伸べたりはせずにヒントだけを与えて好きにするように伝えたりして、なんならそれを樋口が『勝手に利用する』ような方向にもっていってほしいという願望がある。

 

完全にモンスターユーザー的なワガママな妄念に過ぎないし、もしGRADシナリオが俺の苦手とするタイプの展開だったとしてもシャニマス運営の手腕ならすばらしいものを見せてくれるという信頼はあります。あー、これだから嫌なんだよクリフハンガーは!先の展開が見たすぎるけど俺の好みの方向性であってくれと思ってしまう。自分の性分とエゴを否応なしに突き付けられている。

 

【ギンコ・ビローバ】の時系列を色々予想して悶々としていましたが、とりあえずWING・感謝祭後って認識でよさそうですね。

 

 

>【UNTITLED】

樋口の浅倉に対する感情がどのようなものなのかについては解釈ゲームになってしまうので掘り下げようとは考えないことにした。彼女たちの関係が幼少期から続くものなだけにこういうモノローグを見せられると覗いてはいけないものを覗いてしまったような罪悪感が襲ってくるのもある。

 

ただ、浅倉が秘めているものも含めすべてを知っている、わかっているという断言。実際樋口は浅倉にとってよき理解者であり、行動や思考を樋口が精確に先読みすることは多いが、本題ではないとわかっていても気になってしまうことがある。あの時樋口は、コーヒーを飲んでいた浅倉にアイドルになった理由を聞けなかった。浅倉の学生服の少年とてっぺんにのぼった思い出は知っているのだろうか。

 

本カードのコミュ中で称賛の声を集める浅倉は【途方もない午後】の私服を着ている。浅倉が同pSSRコミュにおいて過大評価だと感じて「そんなによくないって、私」とシャニPに漏らしていたことはまだ記憶に新しい。浅倉は自分を特別扱いしない樋口を好ましく感じているし、たぶんそれは樋口が浅倉を特別扱いしない自分を内心で特別視しているのを知っても変わらないだろう。

 

だが同日に実装されたのがよりによってpSR【まわるものについて】浅倉だという事実に運営の意思をかんじる。

 

 

■感謝祭浅倉(と【まわるものについて】)

とうとうアイドル浅倉透としてのファンとの向き合い方みたいなものが出てきた。あの夏の海で浅倉が見ろと叫んでいた「こっち」がファンに見えていたのを認識したことでいよいよ透明とのさよならが近づいているのかもしれない。

 

OPとEDはどっちも感謝祭とは無関係なシャニPと走るエピソード。EDの方ではアイドルの在り方について聞いたりするのかなとか予想してたんでやや拍子抜けした。

 

OPで浅倉が必要でも助けになるわけでもなんでもないのにとにかくシャニPと一緒に走っていくシーンは印象深い。【10個、光】でも【途方もない午後】でも、もっと一緒にいたい、そばにいてほしいとコミュニケーションをとっていたがまさかここまでとは思わなかった。

 

EDの浅倉が諦める→シャニPが先導する→「間に合うかもじゃん」に至る流れ、ベタだけど流石に良かった。3回目の「俺が、行くからさ!」が繰り出され、走り出して風が気持ちいいってするシーンは【途方もない午後】の「風よ、こい・・・!」「やってみなきゃ」のくだりがフラッシュバックしたし、多分シャニPは時間的に余裕あるって言ってたけどあのあと現場まで本気で走ってなんとか間に合ったんじゃないかという気がしている。

 

それにしてもシャニP、樋口コミュでもめっちゃ走ってるけど「意外と速い」と評されているのがウケる。夏葉や霧子との走り込みで鍛えた足腰がしっかり活用されているんだろうな。

 

>【まわるものについて】

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浅倉のpコミュはこれまでもかなり素晴らしいものだったが、これ以上浅倉透の何をどう広げていくんだろうと思っていたらWING編でシャニPに残っていた不安の芽をここで掘り下げてくるんか~~~と唸った。追う、追われるという筋が同日実装の感謝祭コミュにも繋がってくるのが憎い。

 

[2]ラストでシャニPが音楽を聴きながら遊園地の回想をはじめるシーン、あのまわりはじめる演出があまりにも素晴らしかった。俺はシャニマスについていく。

 

浅倉のシャニPに対する感情が何に類するものなのかを考えるのはもはや野暮な気がしているのだけれど、感謝祭OPで偶然出会った瞬間の声色、遅れて事務所にやってきたシャニPにいちはやく気付く姿、世間話が長引いたのに拗ねて外に出てしまうところ、音楽聴いてるシャニPを見つめて満足気なところ・・・とにかく打ちのめされた。早々にコーヒーを真似してのみはじめ、方・遊でも飲み物をオレンジジュースに持ち換え(飲みたかったのか?ミカンの粒)、映画のキスシーン鑑賞は親といるときより平気じゃなくて、【途方もない午後】のレストランではあんなことを口走っていて、これでGRAD来たらどうなってしまうんだ。お前はいったいなんなんだ浅倉。シャニPに伝える気持ちってなんだ?教えてくれ樋口。

 

>シャニPの言葉遣い

今回、シャニPが浅倉に話すとき「~~な?」が多用されている気がする。浅倉のアウトプットが薄めだから、しっかりしたリアクションを返してもらえるようにこういう言い方を導入したのだろうか。

 

シャニPはWINGでも【まわるものについて】でも浅倉に振り回されて滅多にないことに声色を荒げてしまっている。もしかすると浅倉相手では無自覚に素が漏れているのかもしれない。距離感的には同姓の友達相手のそれに近くなっているみたいな妄想を勝手にしておく。