最近観たアニメ(2021年7月)

ガッチャマンクラウズを観た

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まあまあ面白かった。

 

聡明な美少女が縦横無尽に無双するアニメ。といっても別に戦闘的な意味ではない。主人公のはじめは闘争を忌避し、対話を最重要視する特異な人物で、2話時点で宇宙人との対立を平和に収束させてしまう。

 

キャラクターを中心にして物語が展開されているというよりは、メインテーマを軸として本作品が稼働しているので、作品的なメッセージ等はほぼ全てはじめというキャラクターが媒介になっている。だから、はじめは非常に活発的な行動派で自分の意見や感覚を躊躇なく他者に伝え対話を試みる性格になっているし、匿名の悪意は気にしないとか、テクノロジーは便利だけど電源切れたりしたら終わりだから依存はマズいよね~みたいな発言、そしてそれを受けて素直に衝撃を受ける無垢な話し相手、っていうSNSとかで見かけたらちょっとキツいくらいあざとい構図もサラッと回されていく。 作品テーマ的には最初から最強状態。

 

対話を重んじるはじめが悪意そのものでしかないカッツェとの対立にどう決着をつけるのか興味があったが、俺は視聴中に前述の印象を受ける系の鑑賞態度だったためまあテーマ的にそうなるよねえくらいの感覚で終わってしまった。

 

ニコニコdアニメ支店で視聴していたのでコメントをONにして2週目を飛ばし飛ばし眺めてみたところ、はじめが普段表に出さない弱みにフォーカスしてはじめを純粋にキャラクターとして応援・称賛する他視聴者の言及を複数目の当たりにして、自分が作品そのものに純粋な熱量を向けられるときと向けられないときの差異、その条件等に思いを馳せてしまった。

 

ともあれ終盤のクラウズの活用とそれに対する群衆の光のリアクションとか、かわいいキャラとかっこいいキャラがわちゃわちゃしたり、癒し枠がカッコつけたがりお兄さんだったりとかなりエンタメを意識しているアニメで楽しめた。

 

ガッチャマンクラウズ インサイトを観た

面白くなかった。

 

答えを既に知っている退屈な長い長い説教がずっと続いたような感覚。

 

せっかくの新主要人物であるつばさも、はじめの思想が通用するしない以前に全く向き合っていない、けど本人は向き合っているつもりのアホ枠として過ごす期間が長すぎて不憫だ。10話とか11話でようやく予定調和のありがたいお話を聞いて思い直す始末。前作でMESSの件を2話で解決したスピード感はどこへ。

 

答えを急がず一度立ち止まって考えようという簡素なメッセージは中々に効果があって、一時的に俺の否定的な感想を遮った。わざわざ明言されているのだから自分が何かを見落としているだけなのかもしれんとも思った。

 

とはいえやっぱり作劇として退屈な印象は拭えなくて、もう最後のはじめの決断は作品テーマ的にどうなんよ?とかそういう部分を”わざわざ考えようとも思わない"。クラウズの扱いもゲルの扱いも緩やかに未来へ先送りされただけで、どちらかといえば悪しきファジーさに取り巻かれているような気配がする。

 

というか一番ファジーなのはカッツェとの融合が認められたまんまな点で、身内をカッツェ騒動で失った人とかカッツェを危険視する勢力とか絶対いるだろって思ったんだがそういうシーンあったっけ...?何回か視聴中気が遠くなったので見落とした可能性はある。

 

OPはカッコ良かった。

 

スタードライバー 輝きのタクトを観た

そこそこ面白かった。

 

最初から解説なしで固有名詞が次々に飛び出し、凄まじい勢いで状況が動いていく。7話くらいの時点でスガタがラスボスになることが暗示され、こっから2クール分何を見せられるんだ?と慄いた。

 

スガタも観戦に加わるようになって以降は割と大量の登場人物が登場するキャラクターコンテンツとしての面が強化され、タクト・スガタ・ワコの3人に関するエピソードがゆるやかに補強されるあいだ各小集団でゆるやかな物語が展開されるスタンスへと落ち着く。ここらへんは玉石混交だったが、混沌具合が私的には好みだった。最初から全てを持っているかのように見えたタクトが実は友人の薫陶をモロに受けていたと判明するくだりはかなり好き。タクトの求心力がモテ文脈でのみ回収されるのはネガティブ(どうせ異性としてはワコしか目に入っていないし、最終決戦は恋愛展開的なモテ文脈が無くても成立していた)。

 

そして最終決戦へと至るわけだが、最終話はバトルアクションとラストのカタルシスにフォーカスされており、ワコの結論も含めて大きく予想を裏切られた(あの劇中劇は!?)。

 

脚本がフリクリとかトップをねらえ2!と同じ人ということもあり、バトルそのものよりも最終決戦の後の世界、後日談を待望していたがバトルと同時に作品が終了した。劇場版の新規パートなら拝めるか!?と思いきや待ち受けていたのは後日談の後日談で、正直わざわざ足した内容が何故コレなのか理解できなかった。

 

結局最終回も、果ては劇場版の新規パートもああなるくらいバトルに注力した類の作品だったのだと解釈すれば、ただ俺の中でバトルの優先度を下げすぎただけと結論することもできるが、20話以上三角関係引っ張ったりあちこちに人間関係やら個人の目標やら巡らせた作品なので落とし所が難しい。

 

興味をくすぐられたキャラのその後も触れられず終わってしまったので、突然楽しい夢から醒めたような寂しさがある。まあでも楽しかった。